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中国で価格交渉

中国で生活するにおいて、「価格交渉」という行為は生活の中でかなり日常的に行われる。 街中では色々な場所でこの光景を見ることが出来る。ある時、ミニバスに乗ったら、通常1元の乗車区間を 5角（0.5元）で乗 せろと車掌と交渉して乗車拒否された客がいた。長距離バスでは途中乗車の客が 延々15分間も他の客のことも顧みずに運転手 と交渉している。他の乗客はその間再び車が動き出すのを待つだけである。 街中のメーター制のタクシーだって交渉可能である 。ある中国人は深夜に通常メーターで30元程の場所から家に帰るのに、 20元で乗せてくれるよう運転手と交渉した。しかし 、この日はどの運転手との交渉も決裂、1時間経ってもダメだったので、結局25元で帰 ってきたと話していた。 ？？？私は考えてみる・・・もし交渉が成立しいても10元の得である。日本円で150円・・・その ために1時間も沢山の運転手と交渉？？ 私なら40元支払ってでも早く帰りたいところである。しかも、通常30元のところ が交渉して20元になったとしてもこれはあくまでも得したと思うもので、 30元で乗っても損をしたとは思はない。その中 国人の方も決してお金に困っている訳ではない。となるとそう、恐らくこれはプライドの問題であろう。一旦決めた価格で 交渉を始めたら、その価格で成立させなけらばならないというプライド。 その点私のような日本人にとって交渉は非常に 苦手であるし根気もいる、何より人目が気になってしまう。 そして、多くの日本人がそうであることを、中国にあるほとん どのお土産もの屋も知っている。。
断っておきますが、これはあくまでも知られているだけであって、多くのみやげ物屋は値 札が貼ってあったり、親切に対応してくれます。しかし、中にはこのことを利用する悪質な店もありますのでご注意を。以下は私の体験談です。
ある小さな土産もの店での出来事。
一枚の絵が気に入ったので店のおばちゃんに値段を尋ねた。すると、180元との答え。
私も中国での生活が長いため当然ここは価格交渉である。
「高すぎる！もっと安くしてくれ！」
すると店のおばさんは考え込んで神妙な面持ちで
「170元でどう？」という。
それでも私は
「まだ高い、もっと安くして下さい！」
と更なるプライスダウンを要求した。
するとおばさんは「じゃあいくらなら買う？」と私に聞いてくる。
そこで私も冷静に考えてみる、
〜このおばちゃんはさっき170元でどうか尋ねてきた時、あんなに真剣に考えていたじゃないか・・・ この絵は本当に170元位の値段じゃないのかな・・・・〜
などという心理が働いてきた。 そしてさらに
〜もしここで100元と言ったら怒ってこの絵を売ってくれないじゃないか〜
などと考え出す。 そして私はダメ元で
「120元でどうですか？」
と聞いてみると、おばちゃんも「仕方ない・・・」といった表情で同意した。
この時点で私は非常に満足である。180元の物を120元で買えるなんて私の価格交渉術も大したものだなどと自画自賛。
ここで二人の光景を見ていた私の妻（Made　In　China）登場である。
。 全くもう〜見てられないっという表情で交渉開始。
待つこと3，4分最終的に25元で交渉が成立してしまったではありませんか・・・・驚愕です。
さらに妻は私に、
「多分この絵本当は15元程度で買えただろうけどさっきあんたが120元なんて言うものからここまでしか下がらなかったじゃない！」
と言われる始末。 さっきまでの満足感も消え去ってしまいました。その後おばちゃんに
「180元って言ってたじゃないか！」
というと、おばちゃん曰く 「うっかりしてた」とのこと・・・・・
それにしても危うく完敗していたところでした。


でも、中国での価格交渉というのは、ある意味人との触れ合いのようで、皆交渉中は大きな声で言い合ったりしていますが、終わった後はお互 いケロッとしています。
観光でこちらにいらした方も、自分が少し損しても良いぐらいの気持ちで交渉をしてみると、きっとそこから地元の人との触れ合い が生まれることでしょう。
私はというと、その件以来私は、妻から価格交渉の場では絶対に口を出すなと言われ、時にはその場に居る事さえ許されない始末・・・・ 幼い頃から日常的に価格交渉をして育った人にはかないません。
でも、例えば日本にいたら100円出しても買えないものが、20円で買うことが出来、たとえ30円と言われても安く感じてしまうものです・・・・・・。
妻から言わせると私などは値段交渉の素質が無いのだそうだ・・・・・・。